前回の記事で、リアピックアップをフィルタートロンからハイロートロンに変更したことをお伝えいたしましたが、このままだと音のバランスが悪くなることは前もって想像できていたので、少しでもバランスをよくするためにフロントにつけているフィルタートロンをタップしました。
まず先に、タップしたフィルタートロンの音のイメージをお伝えさせていただくと、
「確かに変わる、ただ、思ったより変わらない」
という印象です。
たまに噂されるようにフィルタートロンがハイロートロンの音に変わるということはありませんでした。
変化の具合を言葉で表現するのは難しいですが、「音が少し細くなった分、ニュアンスを拾いやすくなった気がする」ぐらいです。良く言えば少し繊細になりました。
音的に使えるかどうか?と疑問を持たれる方もいると思います。自宅のアンプで鳴らした程度ですが、今のところ使えない音という印象はありません・・・これはこれで問題なく使える音だと思います。
ただ、タップする前のフィルタートロンの味もそのまま残っているので「元々の音が嫌いだからタップしたい」と考えていらっしゃる方は、注意が必要です。
なお、元々のフィルタートロンは歪みの乗りが良くありませんが、それについては少しよくなっているとは思います。
さて、実際の変更方法ですが、以下に画像を付けて解説させていただきます。
ただ、これは現行(Fender社に買収される前の物と思われます)のGretsch社のフィルタートロンなので、年代による違いや、TV Jonesなどは異なる可能性があります。(大きな違いは無いと思いますが念のため・・・)
また、改造前の半田付けが明らかに素人のものなので、取り付け方が多少変わっている可能性がありますが、大まかな変更は無いはずです。
ちなみにGretschの回路図は、Gretsch社のホームページにあります。
公式にしては少し適当ですが、ご参考までに。(Gretsch Guitar Wiring Diagramsという項です)
まず、フィルタートロンの裏側を見てみましょう。
ちなみに、今回はピックアップをギターから取り外して作業しましたが、少し気を使えば取り外さなくても作業できます。
これを横向きにして撮ったのが次の写真です。
赤い線がわずかに出ているのが見えます。この赤い線がポイントで二つのコイルからそれぞれこの赤い線が出ていて、赤い線どうしをつなげることでハムバッカー化しております。つまりこの赤い線の結び目を解いて、片方だけを出力に繋げればそれでタップしたことになります。
わかりやすくするために、半田付けされている金色のプレートを取り外します。
すると二つのコイルの間に石のような見栄えのマグネットが挟まっていますので、これを取ります。
手で軽く引っ張れば取れます。
するとマグネットの下に赤い線の接続部分が出てきます。接続部分は一応カバーされていますが、これも軽く引っ張れば取れます。
カバーを取ると半田で線が結合されていますので、それを解きます。
あとはマグネット、プレートと外したものを付けて、この赤い線のどちらかを出力の部分につければ終わりです。
本当は黒の線と同様にプレートの半田部分につけたほうがいいのかもしれませんが、このプレートは見ての通り金属製で、半田ごての熱を奪うため、半田を溶かすのに時間がかかります。
なので、悪い例ですが、プレートではなくその先の線に直に付けてしまいました。(上の写真です)
もう一つの赤い線は、何かにぶつかってショートしないようにビニールテープでも巻いておきましょう。
これで終わりです。
ちなみにこの改造は、何かを参考にして実行したわけではなく、論理的にこれで出来ると思ったやったものです。
ですので、この改造で問題が起きても責任は取れません。あくまで自己責任で実施していただくよう、お願いいたします。
ちなみにタップしても、リアのハイロートロンよりパワーがあります。。。
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